記録帳

宅配商品撮影:ミノーとメタルジグ

先日、ルアー撮影のご依頼がありました。
点数は20点。ミノーとメタルジグが10点ずつです。ECサイト掲載用とのことで、今回は乳半アクリルの上に置き、簡易白抜きで俯瞰撮影しました。

求められる仕上がりによっては、商品を浮かせたり、背景側に別の照明を組んだりすることもありますが、今回は複数の商品を効率よく撮影する「まとめ撮りコース」でのご依頼だったため、この方法を採用しました。工程を簡略化しながらも、カラーやシルエット、リップやフックの形状が分かることを優先しています。

ルアーの商品写真では、シルエットやカラーを正確に写し取ることはもちろん、ボディの厚みや面の形状、素材感なども伝えたいポイントです。
とくにミノーの場合、リップの大きさや角度は、そのルアーの特徴を判断するうえで重要な要素です。ただし、リップには透明素材が使われていることも多く、白い背景に沈んで輪郭が分からなくならないよう注意する必要があります。

また、メッキやホログラムを施したボディでは、色だけでなく反射の具合も大切です。反射を完全に消してしまうと、金属感やホログラムの輝きが失われ、実物よりも平坦に見えてしまいます。そのため、模様や面の形状を確認できる程度に、適度なハイライトを残しています。

このボディの反射をコントロールする際、試しにグラデーションペーパーを写り込ませて、面の変わり目を強調するアプローチも検証してみました。しかし、今回のルアーに対してはグラデーションの階調がやや強く出すぎてしまい、ホログラム本来の複雑な輝きや微細なパターンを濁らせてしまう結果に。
最終的には、余計な階調をつけないクリーンな白をフラットに写し込むことで、ルアーが持つ本来の色彩と、金属的な輝きのメリハリを最も素直に引き出すことができました。

フックの反射をどう処理するか

ルアー撮影では、リップの形状やボディの反射だけでなく、フックの見せ方にも注意が必要です。
フックは細く湾曲した金属であるため、光源を直接映し込むと白く飛びやすく、反対に黒を映し込みすぎると輪郭が沈んでしまいます。

フックを見やすくするために黒い面を配置することがありますが、その位置や大きさによっては、メッキやホログラムを施したボディにも黒が映り込み、ルアー本来の色や輝きを損ねてしまいます。
そのため、フック全体を暗くするのではなく、輪郭を読み取れる程度の細い暗部を部分的に映しながら、金属らしいハイライトも残すように調整しました。

トレブルフックは3本の針先がそれぞれ異なる方向を向いているため、すべての反射を均一にコントロールするのは容易ではありません。そのため、ボディの模様を大きく隠さないように注意しつつ、フック自体の形状や接続部の構造が最もクリアに確認できる角度を探りながら配置しました。

ミノーの頭部は左向きに

今回は、ミノーの頭部が左側になるように配置しています。
頭部を左向きにすると、視線がアイやリップからボディ、尾部へと流れ、形状や模様を順序立てて確認しやすくなります。商品を比較・検討するための写真としても、落ち着いた収まりになると感じます。
焼き魚を「左頭」にして配膳するように、魚の頭が左側にある見え方には、どこか見慣れた印象もあります。

もちろん、右向きが誤りというわけではありません。広告的に動きを出したい場合や、掲載ページの構成によっては、右向きのほうが適することもあります。今回は、複数の商品を同じ条件で比較しやすくすることを優先し、左向きで統一しました。

※左右の向きによる印象の違いについては、記事「照明は右からか、左からか」でも触れています。

Equipment
Body: α7RIII
Lens: TAMRON 90mm F/2.8 Di III MACRO VXD