愛知県内にて、民泊物件の撮影を行いました。
今回は、管理されている複数物件の写真を刷新したいとのご依頼で、2日間に分けての撮影です。1日目は犬山市、2日目は名古屋市内を回り、合計5物件を撮影しました。
このような複数物件の民泊撮影では、1物件ごとにじっくり時間をかけるというよりも、あらかじめ必要な撮影ポイントを整理し、全体を効率よく進行していくことが重要になります。室内全景、設備まわり、水まわり、寝室、収納、外観など、押さえるべき要素を標準化しながら進めることで、限られた時間の中でも安定して必要なカットを揃えることができます。
ただし、民泊撮影は、玄彩舎で扱っているような建築作品としての撮影とも、一般的な不動産物件撮影とも少し性格が異なります。
空間を無理なく見せる視点は必要ですが、民泊ではそれ以上に、実際に宿泊を検討している人にとって必要な情報がきちんと伝わることが重要になります。
民泊物件の写真は、まだ何となく眺めている認知段階というより、比較検討や予約に近い段階で見られていることが多いと考えられます。そのため、印象の良さだけでなく、情報の網羅性も求められます。部屋の広さや雰囲気だけでなく、どのような設備があり、どんな滞在ができそうかが、写真から自然に伝わることが大切です。
そのため撮影では、超広角でただ広く見せることだけを優先せず、実際の滞在イメージにつながる画角を意識しています。空間全体の把握は必要ですが、広く見せることに偏りすぎると、かえって実際の使い方や距離感が伝わりにくくなることもあります。家具の配置や生活動線、設備の位置関係が無理なく見えること。宿泊者がその場でどう過ごすかを想像しやすいこと。民泊撮影では、そのあたりのバランスがとても重要です。
また、現場の整い方も写真の印象を大きく左右します。カーテンやシーツが乱れていると、それだけで画面全体の印象が落ち着かなくなりますし、配線類が目立つと生活感が強く出すぎてしまうことがあります。可能な範囲で、カーテンや寝具類を整えておいていただけると、撮影はかなりスムーズになります。レースカーテンやタッセルが用意されている物件では、窓まわりの見え方も整いやすく、写真としての印象も安定します。配線類についても、隠せるものはあらかじめ整理しておいていただけると、よりすっきりとした印象になりやすいです。
今回のように1日で複数物件を回る撮影では、撮影そのものと同じくらい重要になるのが、移動と駐車の計画です。物件ごとに周辺のコインパーキングを確認し、次の移動先までの流れも含めてルートを組んでおく必要があります。立地によっては、最初に想定していた駐車場が満車になることもあるため、近隣の候補をいくつか見ておくと安心です。とくに都市部では、この準備の有無が当日の進行に大きく影響します。
複数物件を限られた時間で回る民泊撮影では、効率のよいフローと、現場ごとの柔軟な判断の両方が求められます。必要な情報をきちんと押さえながら、宿泊者が実際の滞在を思い描ける写真にしていくこと。今回の撮影でも、民泊撮影ならではの実務性と、その中で見せ方を整えていく面白さをあらためて感じました。
Equipment
Body: α7RIV / α9
Lens: FE 12-24mm F4 G / FE 24-70mm F2.8 GM