名古屋市名東区にて、2件の不動産物件撮影を行いました。
撮影地は事務所から車で10分ほど。かつて事務所を構えていた場所にも近く、今でも普段から訪れることの多い、よく知った街並みです。今回は、いずれも清掃済みの空室物件だったことに加え、それぞれのの物件が徒歩で移動できる距離にあったため、撮影はとてもスムーズに進みました。
不動産物件の撮影では、撮影ポイントや使用機材をある程度半固定化しています。限られた時間の中で、必要なカットを安定して撮影するためです。
ただし、すべてのカットを部屋の隅から超広角で収める、という撮り方はしていません。広く見える写真は目を引くものの、必ずしも「分かりやすい」とは限らないからです。
不動産写真において重要なのは、売り手が強調したい印象だけでなく、買い手が物件を比較し判断するために必要な情報を過不足なく伝えること。
閲覧者が知りたいのは単なる面積感ではなく、実際にそこに立ったときの感覚や、暮らした際の動線なのです。
部屋の広さ、窓の位置、収納の使い勝手、隣室とのつながり。
そうした情報が写真から読み取りにくいと、物件の魅力が十分に伝わらず、候補として検討される機会を逃してしまうこともあります。
そのため不動産写真では、撮影効率を高めながらも、部屋の広さや動線、収納、窓の位置など、閲覧者が暮らしを具体的に想像するための情報を、的確に写すことが重要になります。
どの位置から広く見せるか。どこで少し引いて、どこで説明的に写すか。
これらの取捨選択は、固定化された撮影フローの中で、現場ごとに瞬時に判断しています。
今回も、買い手が物件を評価しやすい写真を収めることができたと感じています。
建築写真と不動産写真は、どちらも空間を写す仕事ですが、求められる役割や写真の正解は異なります。
建築写真との考え方の違いについては、玄彩舎のブログ「建築写真と不動産写真の境界」でも紹介しています。
Equipment
Body: α7RIV / α9
Lens: FE 12-24mm F4 G / FE 24-70mm F2.8 GM